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外国人子弟の親御さんは早急に子供たちの「母語」を決める必要がある

  南米日系就労者の日本での滞在計画がはっきりしないことや子弟の母国語であるスペイン語やポルトガル語での教育を望んでいること等が日本の教育制度の中で今多くの未就学、不就学問題を起こしている。地域によって差異はあるが、小学校に行っていない子が2?3割、中学校には5?6割、そして高校にはほとんどが通っていないという悲しい数字である(国語等基礎教育ができていないため高校に入学しても無事卒業する日系人子弟は少ないとしている)。

  現在、コミュニティーの中には私塾としてブラジル学校が80校あまり、スペイン語(ペルー)学校が2校程全国的に存在するが一部を除いて学校とはほど遠い姿であり、施設としても教員の質からみてもあまりにも問題が多すぎる。多くの学校は単にビジネスとしてしか考えていない経営者兼校長が運営に当たっており、いくら自治体や日本人ボランティア(日本語教育等を担当している大学生や大学院生等)が一生懸命努力して工夫しても日本の制度内にある学校または本国にある正式な学校の学習水準には到底及ばない。事実、こうした私塾で勉強した子が本国の学校にある程度スムーズに編入できたケースは稀であり、多くが落第を繰り返し、不登校になるか完全に脱落する。時には高等学校へ進学できた事例が紹介されているが、それは並ならぬ親子の努力と執念があったほかならない。

  一方日本に留まっている世帯の子は義務教育を終えるとさっそく親がブローカーに紹介して職に就かすことが多いようである。自分の子が日本の学校でイジメにあったり、いやな思いをしたことで悩む親も当然いるが、残念ながらすぐにあきらめて「もう学校には行かなくていいよ、どうせ来年帰るから」とか、「それじゃ、あのブラジル学校にいけばいいじゃない」とかで、あまり今後の進路を真剣に考えず対応している親が多い。
  集住都市等ではバイリンガルのカウンセラーや補習事業等で対応しているが、教育に対する親の意識があまりにも低いことで有効な手だてを講じられないのが現状であり、そのうえ外国人子弟には義務教育の「義務」が適用しないという制度もこうした実態を助長していると言わざるを得ない。

  これも日本の国としての移民受け入れの無策ぶりを露呈しているのだ。やはり義務教育は義務づけるべきであり、そして制度の中で側面的な支援を実施せねば今のままでは逆に未就学件数増加は止められない。また、「私塾を各種学校」にするというような対応は公的資金の無駄であり、責任逃れさえに見える。たしかに一部の私塾では多大な努力をし、志を持った学校幹部や教師もおり、それに地元企業や日本人ボランティア等の支援も得ているようだが、今の日本はすべてが制度化されており、新たな制度をつくるというより各制度の中で異なった部分をうまく適用するように努力せねば教育の場合はその年齢毎のプロセスを失ったりまた不備が多かったりすると後に大学進学は愚か高校にも進学できず多くのチャンスを失うことになる。文盲者かそれに近い中途半端で「国語教育」をもたない子になってしまう。

  こうした子弟の”母語”は確かにスペイン語やポルトガル語かも知れないが、ここまで家族単位でこの日本に移民、滞在している以上はもはや「日本語が母語」であっても何の不思議もない。

  たしかに日本語は難しい言語であるが、それに新聞等を読めるようになる迄は3千の漢字をマスターしなければならないという。でも、軸になる「母語」というものがなければ他の言語も習うことができない。とにかく一つの言語を国語としてシステマティックな知識がない以上、自分を表現する語彙もなければ他のことを理解することも出来ない。当然ながら自分の考えや論理も構築できない。今の日系人子弟の多くはこうした状況にある。日本にいる以上、母語を日本語にし、日本語で国語を学べばいずれ英語やスペイン語、ポルトガル語等きちんと学べるようになる。そのことを理解しない限り将来はない。私塾も本国のことを教える語学学校としては機能しても「真の学校」ではない。一時的に脱落した日系人子弟が教育制度に戻れるようサポートすることが私塾の役割だが、自分から別枠で学校をつくることは非現実的でいずれ今以上に未就学児童及び青少年を出してしまうことになる。

  筆者は、日本人の顔をしているがアルゼンチンで生まれ、母語はスペイン語であるためこの言語で全てのことを学び高等教育も受けた。16年前、28歳で国費留学生として来日したときは日本語の読み書きがきちんと出来ずテレビのニュースも理解できないことが多かった。必至に漢字を勉強し、文書を理解書けるように努力した。今もその過程にある。でも、「母語はまだスペイン語」でありながらようやく日本語でも考えられるようになった。

MUSASHI No 52, Mayo-Agosto de 2006.
c J.Alberto Matsumoto-IDEA NETWORK

 
 
 
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