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日本国内で犯罪事件を起こし取り調べを受ける前又はその最中に本国又は他国に逃亡する外国人容疑者が増えているため、18の市町村で構成されている「外国人集住都市会議」は今年の4月三重県四日市市で開催された会議でブラジル等との「犯罪者引渡条約」の締結を全会一致で日本政府に求めた。
死亡者や重傷者が出ている悪質な交通事故の容疑者(多くは無免許、無保険、偽造車検、そして飲酒運転という状況の中起こす事件)や殺人容疑で指名手配の外国人容疑者が増えているということである。それもブラジルやペルーという南米出身の外国人であり、90年代から日系就労者として来日しているものである。確かにペルー人の場合偽造日系人としてかなりの者が入国、滞在しているとみられているが、入国の際も偽名を使っていることも少なくなく指名手配をしても本国で見つけることは困難で、日本に出頭するよう説得することはほとんど不可能に近い。広大な領土で州の自治が強いブラジルでも同様である。仮に条約が締結されても地元の捜査当局の協力を得て身柄確保することはそう簡単なことではない。それにブラジルの場合、憲法によって自国民は外国に引き渡さないと規定しており、日本(上記会議)が求めている案の前進は期待できない。
入管行政による出入国の厳格化等も重要であるが、産業界の安易な労働力確保が原因でありそれに沿って南米の日系就労者に対して過剰な「準同胞配慮政策」を行なったことが今になって仇となっている側面も忘れてはならない。一方、集住都市ではこうした就労者の税金や保険料の滞納問題も悪化しており地域社会での共存の視点からもあまり思わしくない状態が続いているが、当初から国として移民政策をきちんと検討してこなかった政府にも大きな責任がある。いずれにしても、これだけ犯罪や違法行為が増えていると当然ながら日系人への風当たりも悪くなり、こうした就労ビザの削除や様々な不都合が予想される。とはいえ、現在ブラジル人30万人、ペルー人5.7万人がこの日本に居住しており、いずれ本国に帰ると言いながらも多くはこの土地に残るだろう。また受け入れた以上こうした「移民」が今後も安心して住めるよう日本政府ももっと実態把握に務めるとともに有効な共存関係を構築するために知恵を絞る必要がある。犯罪者や非合法的な手段を用いて入国した者への摘発はまじめに生活している者からも歓迎されており、むしろ遅すぎると言う声も聞こえる。当初から入国及び滞在諸条件を明確かつもっと厳しくしていれば今のこうした残念な状況は防げていたに違いない。
1995年から2005年迄の間、外国人の刑法犯及び特別法犯の事件数を累積すると約38万件、17万人が関わっていることになる。ブラジル人の場合は刑法犯が累積で42.098件、7.942名が検挙されており、近年麻薬関連事件が増えていることも懸念材料だ。ペルー人の場合は、刑法犯が8.937件で3.467人が検挙されているが、前者と違って特別法犯での検挙件数(2.612件)と検挙者数(2.114人)がかなり多い。また、不法滞在者がまだ約7千人ぐらいいるとされている。実際、これまで入国してきた日系ペルー人の身分チェック(日系人であるか否かを立証するための戸籍謄本や地元で偽装してきた出生証明書、婚姻証明書等)を強化すれば新たに入管法違反や公文書偽造行為が見つかるのではないかと指摘されている。
MUSASHI No 52, Mayo-Agosto de 2006.
c J.Alberto Matsumoto-IDEA NETWORK
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