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二重国籍というと誰もがそのメリットを強調しがちだが、デメリットや不都合というのも実際は存在する。海外で生まれた日系人の中にも、産まれたすぐ後に親が日本領事館に国籍留保手続きを行っていればほぼ自動的に日本国籍を取得することになり、来日する際も「日本人」として渡航することができる。トランジットビザも要らずほぼどこの国の国際空港でもスムーズに上陸、通過することができる。日本に在住する日系人就労者の中にも多数の二重国籍者が存在すると考えられるが、その実態を把握することはかなり困難である(アルゼンチンやパラグアイ、ボリビアに関しては来日日系人の約1割近くは「日本人」として来日にしているとされており、ブラジルやペルーの場合、2?3%ぐらいであるとされている)。また、近年は定住化を決めた日系人の中には帰化して日本人になっている者も増えている。
問題は、国籍留保手続きをしたときに「日本人の名前」でしており、現地の名前と異なっている場合である。日本を「日本人」として生活の拠点にするようになると、子供が産まれても「本国」の領事館に出生登録するにも父親の名前が日本名であって、母国で記録されている名前ではないのである。また、日本と本国との間で遺産相続や離婚による財産分与、子供の親権や養育費請求等、民事・家事関係の事件が発生すると、その二重国籍者の身分と国籍に違いが出るため同じ人物であることを立証することから始まるのである。
最近は、帰化する際、帰化が許可されると新規戸籍にはそれまで取得していた国籍と名前をカタカナとローマ字で表記してもらうことを法務省に申請することでクリアすることもできるが、そうでない場合は、家庭裁判所に氏の変更・名変更の調停を申し立てて「名前の部分を統一」することもできる(日系人の場合はファミリーネーム(氏)は日本人であるのでまったく問題ないが、名の部分が現地のものであるため、それに統一することがこうした調停の申し立てである)。
いずれにしても、日本に住みながら本国にも土地や他の資産があり、その運用や処分する場合、こうした不都合も発生すると言うことを認識すべきである。
スペイン語情報誌「MUSAHI 」No 49 2005年8月?12月号
c J.Alberto Matsumoto-IDEA NETWORK
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