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月刊スペイン語情報誌「MUSASHI」
2003年05月-第40号

目次

- 遺族基礎年金

- 寡婦年金 

- 高齢者への再雇用サービス

- 豊橋市:ブラジル人実態調査

- 二十歳から国民年金加入

- 日本の国際協力

●遺族基礎年金:前号と同じ理由で年金制度の内容を紹介するために今回は「遺族基礎年金」を説明している。ただ、被保険者が亡くなったということだけで自動的に受け取れるのではなく、諸条件を満たしていないと受給できない年金であることを強調して置く必要がある。寡婦年金もそうだが、良く誤解して「生命保険」のようにすぐに受け取れると思いこんでいる日系人もいる。

●高齢者の雇用機会:殆どの日系人達が就労している業種と職種では55歳以上になるとかなり雇用の機会が少なくなってくる。入管の統計を見ても南米出身者の55歳から59歳の層には11.000人ぐらい存在し、60歳から64歳には2.500人、そして65歳以上の高齢者は1.400人ぐらいである。ただ、5年後には、今の40代後半と50代前半の多くの日系人たちが今の職を維持することが困難になる可能性が非常に高くなる。確保できたとしても、賃金水準は今より少なくなると考えられる。高齢者の職安とでも言える「シルバー人材センター」の仕組みを紹介している。

●「日系ブラジル人実態調査ー報告書」豊橋市:この報告書は今年の3月にブラジル国籍の日系人が最も多く住んでいる自治体、豊橋市が発表したものである。かなり大掛かりな調査で、700世帯に対して実施したものである。全体像を把握するにはかなり有意義な内容であり、今まで懸念されていた問題点が明確に映しだされている。例えば、半分近くが比較的賃貸料が安い市営・県営住宅に住んでいるが、対象者の7.7%のみが近所とのトラブルを訴えている。しかし、こうしたアンケートを日本人住民にした場合、その回答はかなり異なると予想される。定住化、それも家族滞在という形式が定着しつつあることが伺える一方、9割以上が「お金を稼ぎに来た」としか答えていないことで、彼たちの短期的な目的と認識を浮き彫りにしている。こうした意識が、子弟の教育にも現れているようである。2割近くは日本ではあまり有効に機能しない一種の民族学校(ブラジル学校と称されている)に通っているが、この割合と高校に進学しない(1%も行っていない)子弟を含めると、仮に義務教育を終えたとしても、学習レベルはかなり低いため、残念ながらあまり良い職に就けない可能性が高い。また、今の日系青少年の非行問題は、このままではまだ改善されないという方向にある。親たちの短絡的な考えと日本の諸制度を十分に理解していない要素が問題解決を遠ざけている。「自由意見」の部分をみても、受け入れがたい要求もあり、いくら行政や市民がフォローしても無理があるように思える。

 今回の調査によって、自治体は様々な対策を検討するに違いないが、市町村レベルで行える施策には財政的にも人材的にも限りがあり、広域若しくは国レベルできちんとした外国人定住政策というのを議論しなければならない。多くの外国人はまじめにこの社会で生活をしている。しかし、諸制度のメリットを把握していないため、自分に都合の良い部分だけを強調しがちで、圧力を掛けるとすぐに「もうすぐ国に帰るんで」という責任逃れなカードを出してくる。納税義務や社会保険の負担をきちんと守っている人たちのためにも、常習犯的で無責任な滞納者には、もっと厳しい措置を取る必要がある。「自由意見」や各会合でもブラジル人自身が述べているように、悪質な場合はビザの更新拒否(強制退去)や財産の没収(新車に乗っているにもかかわらず国保や市民税を払っていないケースも報告されている)を行っても良いと考える。また、子弟の教育については、日本人と同じように義務にしない以上どのような側面的な支援策を採っても大した結果は出せない。行政関連の国際交流協会やボランティア団体に頼っているのでは、残念ながら日本人と同じ内容の教育は受けられない。母国語教育も結構であるが、それはメインである日本語での教育の付属的要素でなければならない。一つの言語をきちんと勉強してはじめて他の言語も活用できるようになり、今のような中途半端な対応と配慮は逆効果である。

●日本の国際協力:JICAの年報2002年版によるものであるが、日本に住んでいる日系人は日本政府は様々な形で世界に対して援助を行っていることを把握していない。また、中南米諸国の日系人社会に対しても支援が行われており、JICAとしても、これからは日本などで高度な教育を受けた日系研究者や専門家が日本の技術協力の各プログラムで活躍してほしいと期待している。南米諸国の日系人社会も援助だけに頼るのではなく、こうした大切な援助によって自ら自分の特徴を活かし、社会や地域に貢献する力を発揮しなければならない時期に来ている。


 
 
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