(社団法人日本アルゼンチン協会会報35号 2002/1月号に掲載)
昨年の12月1日韓国の釜山で行われた「W杯2002年抽選会」の結果アルゼンチンの来日が確実となった。アルゼンチンは、1930年隣国のウルグアイで開催された第1回目のワールドカップでは準優勝し(90年のイタリアでも同賞)、1978年のアルゼンチン大会と86年のメキシコ大会で2回優勝している。17回の大会中13回参加しており、今回は8回連続の出場である。また、1930年にはスタビーレ選手が、78年にはケンペス選手が得点王に輝いている。FIFAのランキングで前チャンピオンのフランスに次いで世界2位の実力チームであり、今W杯の優勝候補としても大会を多いに盛り上げてくれるに違いない。
国内のキャンプ地として、福島県いわき市の近くに位置する楢葉町のJ-Villageというサッカー界初のナショナルトレーニングセンターが内定した。このスポーツ総合施設にはサッカーの代表チームが安心して準備できる天然芝フィールドや5千人収容のりっぱなスタジアム、屋根付き練習所やフィットネスクラブ、宿泊施設やレストラン等があり、マルセロ・ビエルサ監督も大変満足しているとブエノスアイレスの有力新聞ラ・ナシン(2001/12/19)でも大きく取りあげられている。 楢葉町と広野町がアルゼンチン代表チームのホストになるようだが、現地では様々な形でチームが準備できるよう又はくつろげるように対策を整えているようだ。
全国10カ所で試合が開催されるが、F組のアルゼンチンの第1次戦は6月2日に茨城の鹿島でナイジェリアと、7日に札幌でイングランドと、そして12日宮城でスウエーデンと対戦することになっている。このために、本国からも数千人のサポーターが来日すると予定されている(昨年12月に暫定政権が発足し一時債務不履行を宣言しており、経済情勢が悪化しているため当初言われていた約1万人はかなり困難でその半分にも満たないと関係者は話している。ただし、W杯のために貯蓄や財産の一部を処分するものはいつものようにいるようである)。
前回のフランス・ワールドカップでは280万人の観客が動員され数十万人が外国からであった。日本にも韓国と共同開催とはいえ、かなりの外国人サポーターや観光客、マスコミ関係者が来ると予想されている。他の南米諸国のチームサポーターも含むとスペイン語圏だけでも1万人は下らないと推測されており、日本に住んでいる約3千人のアルゼンチン人たちを含むと心強い声援になると期待する。
日本アルゼンチン協会の会員の皆様にも是非アルゼンチン代表チームの応援をお願いしたい。チームの活躍が少しでも国民の励ましになることを願う次第である。 松本 J. アルベルト 合資会社イデア・ネットワーク 代表取締役
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